短編 怪(あやし)は人の傍らに 2話

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波切が叫ぶと、光が強くなる。 思わず目を細めてしまう。 光が収まり波切の方を見やると、波切は髪の長い20歳くらいの女性になっていた。 紫穂「えっ...えっ!!??」 顔も身長も、髪も、全部変わっている。波切は何処へ行ったのかときょとんとしていると、その女性が波切の声で喋る。 波切「どうだい、面白いだろ」 紫穂「み、満島さんなんですか」 波切「そうだよ。君のお姉さんもこんな格好、してなかったかい」 紫穂「......!してました...確かに」 波切「さぁ、来るよ。隠れててね」 紫穂「はっ...はい」 紫穂は少し離れた電柱の影に隠れて様子を見る。 波切はその化物が出た電柱の前を、ゆっくりと通った。 と、波切の足や肩に黒いものが絡む。 紫穂「ひっ...!?」 あの時と同じだ。あのまま、掴まれて引き裂かれる。 紫穂は瞬間的にそう思った。 そしてその通り、その黒いものは掴むようにまとわりつき、肩や足を引っ張った。 紫穂「みっ...満島さ...!」 波切「『人から生まれし人ならざる者共よ』」 波切が本を朗読するように、高らかに言い始める。 波切「『汝等哀しき怪(あやし)に、清めと祓えの儀を致す』」 黒いものが渦巻いている。あの化物が来る。 波切「『誘宵』!!」     
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