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空っぽになった鳥籠を手に街を彷徨う女の子。時々、立ち止まって、空を見上げたり、辺りを見回したり。そして目を閉じて耳を澄ます。そしてまた歩き出す。鳥籠は金属製でとても重そうだ。
人混みで誰かにぶつかり、鳥籠は女の子の手を離れ、ゴロンゴロンと転がっていく。女の子は鳥籠を追いかける。
鳥籠は男の人にぶつかって止まった。男の人は鳥籠を拾い上げた。
「これ、君のかな?」
女の子に鳥籠を渡すと。男の人はスーッと消えてしまった
。
女の子はまた歩き出す。
でも、鳥籠は、もう空っぽではなくなった。
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