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「あら、フォースィ起きたのね」
木のお盆を持ったプラウがドアを開け、部屋で立っていたフォースィの姿を見て驚き、そして喜びに変える。
プラウはお盆の上に乗ったいくつもの木製のコップの中から適当に1つ選び、ベットの横にある小さな机の上に置いた。
「あれは、銀龍騎士団? それにしても何故ここに」 湯気の立つコップを手に取り、フォースィは白い薬湯を口に運ぶ。
プラウはフォースィがそのまま半日以上も寝ていたことを伝え、つい先ほど銀龍騎士団が休める場所を提供して欲しいと頼んで来たのだという。
「どうやら随分と激しい戦いだったそうです」
プラウもフォースィと共に窓から彼らの様子を見る。フォースィが知っている限り、銀龍騎士団はその殆どをあの街で失っている。彼らがこの集落の存在を知っていることはないはずだった。
フォースィは中が半分に減ったコップを机の上に置くと、壁にかけられた神官服に手をかける。服は汚れが落とされ、匂いも落ちていた。やや湿ってはいるが、支障はない程度である。
「それにしても、よくこの集落に入れることを許したわね」
この集落は王族のみが知る秘匿の地、どのような理由であれ無闇にこの集落に外部の者を入れてはならない掟があった。
フォースィは人のことを言える立場にないと誤魔化しながら、神官服に袖を通す。
「あなたと同じですよ。フォースィ」
プラウが優しく微笑みかける。
だがフォースィはそれだけでは分からなかった。
「私と同じ?」
「ええ。騎士団の中にデル様がいらっしゃったのです」
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