一ノ章

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元々非番になったところを呼び戻された訳だし、俺の役目も終わったので、一旦帰っていいことになった。 とりあえず後は係長達に任せた。 家に帰ると、リビングで美冬さんが俺を待ってくれていた。 「ただいま」 「お帰りなさい」 「いつもありがとう」 美冬さんは軽く微笑むと、ゆっくり首を左右に振った。 俺はあえてそう言ったが、彼女はそうするしかないだろう。 「今日は一人なんだ」 彼女が俺を見て言った。 「ああ、今日は大丈夫な人だった」 「そっか」 そう言って美冬さんは優しい目で俺を見ていた。 俺はその表情に惹かれながらも、視線を逸らすことしかできなかった。 「お腹空いてない?」 「大丈夫。とりあえず寝るよ」 「そう」 俺は着替えると、「明かり消すよ」と美冬さんに声を掛けた。 彼女が頷いたので、明かりを消した。 「(せい)君、おやすみなさい」 「うん、おやすみ」 俺は寝室のベッドに入ると目を閉じた。
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