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元々非番になったところを呼び戻された訳だし、俺の役目も終わったので、一旦帰っていいことになった。
とりあえず後は係長達に任せた。
家に帰ると、リビングで美冬さんが俺を待ってくれていた。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「いつもありがとう」
美冬さんは軽く微笑むと、ゆっくり首を左右に振った。
俺はあえてそう言ったが、彼女はそうするしかないだろう。
「今日は一人なんだ」
彼女が俺を見て言った。
「ああ、今日は大丈夫な人だった」
「そっか」
そう言って美冬さんは優しい目で俺を見ていた。
俺はその表情に惹かれながらも、視線を逸らすことしかできなかった。
「お腹空いてない?」
「大丈夫。とりあえず寝るよ」
「そう」
俺は着替えると、「明かり消すよ」と美冬さんに声を掛けた。
彼女が頷いたので、明かりを消した。
「晴君、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
俺は寝室のベッドに入ると目を閉じた。
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