三ノ章

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非番になり家に帰ると、リビングから美冬さんと誰かの楽しそうな話し声がした。 リビングへ入ると、こっちを向き気味でソファーに座る美冬さんが「お帰りなさい」と微笑んだ。 そして、背中を向けていた黒髪の女性が振り返った。 「お兄ちゃんお帰り~」 俺は顔に手を当て、がっくりとした。 美冬さんと話してるから分かってはいたが、妹のあべのだった。 美冬さんと普通に、いや、楽しそうにガールズトークをしていた。 「何してるんだよ……」 少し抗議気味に言った。 俺はこいつと美冬さんを会わせたくない。
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