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「で、いくら?」
「……5万円」
「わかった。今は手持ちないから銀行まで付き合え」
「うん。じゃあ、美冬さん、またね」
あべのはすぐに立ち上がると、美冬さんに手を振った。
「あべのちゃん。また遊びに来てね」
「うん」
「おい」
俺はツッコむが、まあ、あべのは聞いていない。
「お兄ちゃん、行こ」
逆に腕を引っ張られて玄関へ。
「美冬さん、ちょっと行ってくる」
俺は振り向き気味に声を掛けた。
「気を付けてね」
美冬さんが、微笑ましそうな笑顔で手を振っていた。
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