三条宗近

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平安時代の刀工・三条宗近の作…… 刀身に鎬と反りのある形式の日本刀としては もっとも古いものの一つである刀剣。 「天下五剣」の中でも最も美しいとも評され、 「名物中の名物」とも呼び慣わされた。 「三日月」の号の由来は、 刀身に三日月形の打除け(うちのけ、刃文の一種) が数多くみられることによるものとされる。 数多の歴史を流れ…… 数多の人の手を経て現代に辿り着いた彼は、 刀剣男士として活躍し、 審神者が老衰した今…刀解されようとしていた。 「本当に宜しいのですね」 政府の役人が聞き返す。 それもそのはず。 Lv120の三日月宗近など…早々いない。 屈指の実力者である審神者の元で 鍛え上げられた三日月は、 カンストを打ち破り…… その更に先へと進んでいた。 故に刀解するのは、非常に惜しいのである。 願わくば、新しい審神者の元で…… その力を奮ってほしいものである。 大きな戦力となり、 歴史修正主義者を蹴散らすであろう。 だが………三日月宗近の意思は固かった。 「早う刀解して貰わねば困る」 そう言って目を閉じた。 政府の役人は決断した。 もうこれ以上言っても無駄だと。 今まで頑張って来たのだ。 一度くらい…願いを聞いても良いのかもしれない。 そして特殊な術を使い、 三日月宗近の霊力を抜いていく…… 抜け落ちる霊力…… やがて刀に戻った三日月だが、 更に淡く光ったと思うと… 刃先から淡い光となりて……消え始めた。 これで還れる…… 三日月は消えゆく意識の中、そう思った。 だが天照大神がその様子を天界より見た。 そして手を振る。 『お前は少し……人間を学び直せ』 刀解されるには早すぎると感じていた天照大神。 その存在は………… 三日月宗近を過去へと飛ばし……連結させた。 全ては人間を学び直し、刀解を考え直させる為。 こうして三日月宗近は、 自身さえも預かり知らぬままに、 時空を超えて……平安の世… 打たれたばかりの三日月宗近に連結され、 再び人の身を得たのだった。
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