1 二人きりの歓迎会

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1 二人きりの歓迎会

 瀬田晴季は秋川にとっては、大学の水泳部の二年下の後輩にあたる。 秋川と瀬田とが在籍していた部は所謂、名門でも強豪でもなかったのでタテの繋がりはおろか、ヨコすらも密ではなかった。 そんな(良くも悪くも)ユルい部だったので、秋川は大学を卒業してしばらくすると、瀬田の存在などすっかり忘れてしまった。  それが今年の春、中途採用者として瀬田が秋川が勤めているインタレスティング ラボラトリー(通称インタラボ)社に転職をしてきて、社員食堂にて(めでたく?)再会をした。  しかし、正直なところ秋川は瀬田のことを思い出すのに苦労をした。 結局、 「二年下だったんで、余り印象には残っていないかも知れませんけど・・・」 と、実に控えめな先輩思いの瀬田のフォローがあって漸く、秋川はそんな後輩もいたかも知れないくらいに思い出しただけだった。  それにしても・・・と秋川は目の前の自称、後輩を改めて見つめた。 大学を卒業して七年になるが、そう面変わりをしたとは思えない。   
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