3 フルボトルをめぐる攻防

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 「・・・・・・瀬田、おまえ、自分で何言ってんのか判ってんのか?」 「判ってますよ」  ワインを一気に飲まれてから言われても、秋川には信じることが出来ない。瀬田が空いた自分のグラスへとまた、ワインを注いだ。 「いや、おまえは判っていない。判っていたら・・・」 「判ってないのは先輩の方じゃないですか!おれがずっとずっと、先輩のことを好きだったの知らなかったクセに!」 「瀬田・・・」  瀬田がワイングラスをテーブルの上へと置き、両手で自分の頭を抱え(うつむ)き、言った。 「すみません。佐伯さんとのことは、先輩がちゃんと断ったのを佐伯さん本人の口からききました。未だあきらめてはいない。とも言っていましたけれども」 「まったく、あの人も懲りてないなぁ・・・」  秋川は酸化しすぎたワインを口にしてしまったかの様に、顔をしかめた。 変な酔いが回ってしまいそうだった。  佐伯のことはもう、秋川にとっては終わってしまったことだったが、今、目の前の瀬田を無視することは出来ない。  それにしても、一難、男?去ってまた一難、男?男難の相でも出ているのかと、秋川は不謹慎にも思った。  多少なりとも自分でツッコミを入れなければ、やっていけない様な気になってきた。     
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