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「お湯入れるから、ちょっとだけここで待ってて」 七翔君を脱衣場に座らせると湯船を軽く流し、給湯のスイッチを押した。 付き合ってからお互いの家を往き来しているが、こんな風に突然来ることは初めてで戸惑う。 あんなに弱っている七翔君を見るのは2回目だ。 まさかまたお父さんと……。 棚の上から新しいバスタオルを出して洗濯機の上に置くと、しゃがんで七翔君と目を合わせた。 「1人で入れる?」 こくんと頷くがそれきり動こうとしないので、手伝うことにした。 シャワーの栓をひねってから俺が裸になり、ぼんやりしている七翔君の服を脱がせた。 「シャワー浴びような」 七翔君を抱えるようにして風呂場に入り、温かくなったシャワーを浴びる。 軽く体を流し七翔君を抱えて湯船に浸かると、七翔君が「ふぅ」と気持ち良さそうに息を吐いた。 足の間に座らせた七翔君を背中から抱き締めると、冷えきっていた体が少し温まっていてホッとする。 「くすぐったい」 七翔君は肩をすくめながら呟いた。 「ごめん。髪の毛が擦れたんだよ」 「髪の毛………え、何で志季さんが……。ていうか、僕裸だ」 急に暴れだした七翔君を落ち着けようと再びぎゅっと抱き締めると、七翔君がぴたりと動くのを止めた。 「大丈夫?」 「すみません、ちょっとびっくりして……。あの、僕何で裸……」 「ああ、冷えてる体を温めるためにシャワーをすすめたんだけど七翔君全然動いてくれなくて、それで俺が一緒に入ってるんだよ」 「………えっと、志季さんが脱がせてくれたんですか?」 「そうだよ」 「わ、すみません………。あれ、もしかして志季さんも………裸なんです……か?」 「もちろん」 「…………」 一瞬で全身を真っ赤に染めた七翔君がぷくぶくと沈みそうになったので支える。 「七翔君、しっかりして」
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