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「フッ、ククク……」 少し気分が良くなると、笑いが込み上げてきた。 「笑いすぎです」 「うん、でも自分の姿を想像したら可笑しくて」 あの後、フラフラしながら2人でシャワーを浴び、気分が悪いのを我慢しながらルームウェアに着替え、かろうじて冷蔵庫で水だけ出すと一緒にベッドに倒れ込んだ。 普段は不自由を感じないシングルベットも流石に男2人で寝るとキツイ。 だけど、隣に感じる温かさが嬉しくて、七翔君と手を繋いだ。 「志季さん?」 「俺さ、誰かと一緒に寝るのって苦手だったんだ。同じ部屋に誰かがいるだけで、気になって寝られなかった。だけど、不思議だな。七翔君がいるのは全然嫌じゃない。というかこのままずっと居て欲しい」 「フフ、嬉しい。でもいいんですか?僕のイビキが凄かったり寝相が悪くて文句を言っても知りませんよ」 「イビキすごいの?」 「さあ、寝てるから分かりません」 「寝相は?」 「ベッドから落ちたことはないですが、それも分かりません」 「確かにな。じゃあ今夜泊まっていけば?時間も遅いだろうし……って今何時だ?」 部屋に時計を置いてないので時間が分からない。家に帰って来たのが10時頃ですぐにシャワーを浴びにいったから11時くらいか? 「時計見てくる」と七翔君に声をかけて、ベッドから出る。 ━━うん大丈夫。フラフラしない。 玄関に放っておいた鞄から携帯を出して時間を確かめると12時。2時間近くも風呂に入ってた計算になる。 そりゃ逆上せるよな。 「お帰りなさい」 「ただいま」 「何時ですか?」 俺の服は七翔君には少し大きいみたいで、服に着られてる感が可愛い。 あっこれが世間の男どもが夢中な萌え袖なのか?前まではさっぱり良さが分からなかったけど、今は何となく分かる。可愛い。 「12時。今からじゃ終電間に合わないし泊まっていくよな?」 「はい、って12時?2時限も………」 七翔君もびっくりしてるみたいだ。 でも、元気になって良かった。部屋の前で見つけた時はぐったりとして今にも倒れそうだったから。
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