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ペットボトルのキャップを緩めて七翔君に渡す。
「ありがとうございます」
水を飲み込む度に白い喉が動くのを見てると、変な気分になる。
さっき散々出したのに………。
七翔君から視線を反らすと、服の裾をくんと引っ張られた。
「何か怒ってますか?」
「怒ってないよ。ただ、水を飲んでる七翔君が色っぽくて見てるとまた……って俺、何言ってるんだ」
照れ隠しに七翔君からペットボトルを奪い、残りを一気に飲み干す。
「あっ」
七翔君が小さく叫んだ。
「どうした?」
「あの……僕にも分かりました。水を飲む志季さん、すごくかっこ良かったです」
七翔君と顔を見合わせる。
「俺達って完全なバカップルだよな」
「はい。こんなこと友達が言ったら引きます」
「確かに俺もこいつらどんだけ好きなんだよって引きまくるよ」
「はい。だけど、僕は今の自分が嫌いではありません」
「俺も。七翔君の可愛さを世界中に叫びたいくらいだ」
「世界中に?」
「いや、宇宙にも」
「大げさですよ。まあその時は僕も隣で志季さんのカッコよさを一緒に叫びます」
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