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「それと……佐藤さんにも謝られた」 「佐藤さんってこの間の女の人?」 「そう。酔っぱらってご迷惑かけてすみませんって言ってた。どうやら彼女、あの日の事はほとんど覚えてないみたいなんだ」 「志季さんに告白したことも?」 「そうみたい。それで……」 あー、これ言うと七翔君に嫌われちゃうかな。 「恋人がいるって言ったんだ」 「えっ……」 そう。彼女が忘れてるのをいいことに、告白をなかった事にした。その上、万が一前みたいに告白される事がないように恋人の存在を明かした。 「もちろん七翔君の名前は出してないよ。だけど、俺、卑怯な真似をした……よな」 「あー、でも………嬉しいです」 「え?」 「だって、ちゃんと恋人がいるって言ってくれたから。それで、彼女は何て?」 「恋人いたんですね…って笑ったんだ」 泣きそうなのを必死で我慢している姿を見るのは、ほんの数ヶ月前の自分を見てるみたいでたまらない気持ちになった。 たぶん、泣かせてしまった。 「志季さん、大丈夫?」 「もちろん」 電話だと分からないけど、たぶん不安そうな表情を浮かべてるんだろう。 間違えてはいけない。俺は誰よりも七翔君の笑顔を守りたいんだ。 「金曜日、早く帰れそうなんだ。七翔君に会いたい」 「僕も志季さんに会いたいです。でもバイトが」 「何時まで?」 「閉店の8時までです」 「疲れてなかったら、それから会わない?」 「はい。あの…志季さんの家に泊まってもいいですか?」 「ああ。お泊まりセット持ってこいな」
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