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「どんな人?」 七翔君は…… 「夢に向かって頑張ってる一生懸命な人……です」 「へえ、いいね」 「はい。その人をみていると俺も頑張らないとって思います」 桃花さんがクスクスと笑った。 「星宮君は何を頑張るの?」 「仕事もそうですが、その人とずっと一緒にいられるよう頑張ってみようかなって」 遠距離になって破局した桃花さんは俺の言葉で察したのだろう。ちょっと切なそうに瞳を揺らした。 「距離なんて関係ないっていう人はいるけど、人間ってそんなに強くないの。本当に辛いときは電話やメールじゃなく、ただそばにいて抱き締めて欲しい。その気持ちが分かるから、私は彼だけを責める事が出来なかった」 桃花さんは薬指に光る指輪に手を添えた。 たったそれだけの動作で桃花さんが旦那さんを愛していることが分かる。 幸せなんだな。 なんだか嬉しくて自然と表情が緩む。 「あれ、今笑う所?」 「すみません。桃花さんが幸せそうでつい…」 「もう。星宮君には敵わないな。そうね、彼と別れたのは辛かったけど、今は幸せよ。星宮君も幸せ?」 「はい」 今すぐ七翔君に会いたくてたまらなくなった。 バイト先に迎えにいこうかと考えていると、テーブルの下で軽く足を軽く蹴られた。 「まだ私といるんだから忘れないで」 「すみません」 「いいよ。今日星宮君に会えて良かった。ちょっと迷ってたんだけど、決心がついたわ」
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