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服を脱がせようとシャツに手をかけると、七翔君が恥ずかしそうに目を伏せた。
「僕だけは恥ずかしいので、せーので脱ぎませんか?」
「せーのでって」
子供みたいな提案に思わず笑みが漏れる。
「ダメ……ですか?」
その上目遣いは反則だよ。そんな風に頼まれたら、どんな願いでも聞いてしまう。
いいよと言うと、明らかにほっとした顔をして七翔君がベッドの上に正座した。
「じゃあ、せーの」
掛け声をかけた割には、七翔君はシャツに手をかけたま動かない。
七翔君の緊張がこっちにまでうつりそうだ。
ここは俺がしっかりしないと。
いつもしているように淡々と上着を脱ぎ、ネクタイを解き、ワイシャツのボタンを外し始めると、七翔くんがようやく動き出した。
ワイシャツを脱ぐと寒さで体が震える。興奮していて気づかなかったが、冬の夜に暖房がついてない部屋で服を脱ぐのは結構辛い。
くしっ。
可愛い咳が聞こえ目をやると、七翔君がベッドサイドにあるリモコンを手に取るのが見えた。
「エアコンつけますね」
すぐには暖かくならないだろうな。
残りの服を素早く脱ぎ全裸になると、下着と靴下をはいたままの七翔君をぎゅっと抱き締めた。
「あの、僕まだ……」
「いいから」
想像していた通り七翔君の体は細かったが、運動していたのか筋肉はしっかりついているようだ。背中を撫でると、肌は思っていたよりすべすべしている。難点は肉がないから骨が当たって結構痛い事だろうか。
「………女の子と比べないで下さい」
「そうだな。無意識に比べていたかもしれない」
泣きそうな顔の七翔君にチュッとキスをする。
「不思議なんだ。男の裸なんて見慣れているはずなのに、君の裸は全然違う。ドキドキする。男とか女とか関係なく、七翔君と抱き合っている事に興奮してるんだ」
「本当に?……僕でいいの?」
「七翔君がいいんだ」
俺の胸に顔を埋めた七翔君がありがとうと小さく呟いた。
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