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「志季さん、ありがとう」 「ん?」 何に対するお礼か分からなくて首を傾げると、七翔君がぎゅっと抱きついてきた。 「嫌じゃ……なかった?」 ああ、さっきの…… 「全然、嫌じゃなかったよ」 「本当に?」 「ああ。正直言うと、あんな事が自分に出来るなんて思ってなかったけど、七翔君を見ていたら自然とそうなってた」 「嬉しいです。……あ」 「どうした?」 「僕ばっかり気持ちよくなって……。志季さんは、その……」 七翔君は全然分かってない。確かにイクまではいってないが、俺も十分興奮しているのに。 「分かるか?」 裸の腰同士を密着させると、七翔君があっと小さく声を上げ、恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めた。 コクンと頷いた七翔君が何かを思い付いたように勢いよく顔を上げた。 「次は僕がっ」 あぶな。もう少しで顔を直撃される所だった。 「うーん、今日は遠慮しておくよ。それより、七翔君がまだ大丈夫なら抱かせて欲しい」 再び頷いた七翔君の髪が擦れてくすぐったい。 そう言えばローションを鞄に入れっぱなしだ。せっかくのこの甘い雰囲気をぶち壊すのは嫌だけど、玄関まで取りに行かないとダメだな。ネットでやり方を調べた時に、男同士がするにはまずローションを使って後ろを丁寧に解さないとダメだと書いてあったから。
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