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「あっあっ、し、きさん………あっ、やっやだ、ん……」
偶然みつけたそこに指が触れる度に、七翔君が乱れていく。
感じてくれているのか後ろもずいぶんと柔らかくなり、3本の指がバラバラに動かせるくらい広がった。
だけど。
「志季さん?」
「あ、ごめん」
さっきまでの辛そうな七翔君の姿を思い出してしまい、指が止まってしまった。
「今日はここまでにしよう」
「え?」
「七翔君はすごく頑張ってくれたよ。俺はそれだけで十分だから」
フラりと体を起こした七翔君が、俺の腕を掴んだ。
「何で最後までしてくれないんですか?」
「七翔君も疲れただろ」
「それはそうだけど、だんだん痛みもマシになってきたし僕は大丈夫です」
「さっきも言ったけど、俺達にはこれからいくらでも時間があるんだから、今日無理して最後までしなくてもいいんだよ」
七翔君は何か言おうと口を開いては閉じを繰り返したた後、戸惑いながら小さく言葉を発した。
「……無理なんかしてません。志季さんは、女の子として途中でやめたことあるんですか?」
「それは……」
「ないんですね。それじゃあ何で……。僕としたくない?それともやっぱり男とするのは面倒?」
聞いていると段々腹が立ってきた。
「そんな訳ないじゃないか。俺は最後までしたいよ」
「だったら……」
「俺だって不安なんだ。無理に抱いて七翔君に俺と寝たくないって思われたらって思うと不安でたまらないんだ」
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