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七翔君の頬をつと涙が伝った。
「我が儘言ってごめんなさい」
「いや」
泣かせるつもりなんかなかった。俺はいつも自分の気持ちばかりで……。
「ねえ、続きしようか」
「でも……」
「七翔君が嫌じゃなかったら、しよ」
「はい、お願いします」
柔らかく微笑む七翔君の頬を両手でそっと包むと親指で優しく涙を拭う。
「泣かせちゃうかもしれないけど」
「いいです。泣いても止めないで下さい」
「七翔君は強いな」
「僕は強くなんかな………ん……」
臆病な俺に勇気を下さい。
触れるだけのキスを重ねている内に、おさまっていた熱が再び呼び起こされる。
痛いくらいに反応している自分自身を強く意識しながら、もう一度指にローションを垂らして七翔君の後ろを解していく。
すぐに3本の指を飲み込んだそこを丁寧に広げながら、七翔君の様子を伺い見ると。
「あっ、あっ、何。体が勝手にっ」
「うん。ここ気持ちいい所だよね」
さっき見つけたそこを重点的に中指の腹で擦ると、七翔君はビクビクと何度も体を跳ねさせ、熱い吐息を吐いた。
「志季さん……もう………」
「そうだね。いくよ」
コクンと頷いたのを確かめ、きゅっとすぼまったそこに俺自身をあてがう。
「ゆっくり呼吸して」
「はいっ、ああ………」
絶対無理だと思われたそこに、いきり立った物が徐々に埋まっていく。
「痛くない?」
「大丈夫……」
本当は痛いんだろう。流れ落ちる涙が本心を語るがもう止めてはあげられない。
優しく髪を撫でると、更に腰を奥まで押し込んだ。
「ああっ」
弓なりに反った背中に腕を回し、体をぐっと密着させる。
なんて気持ちいいんだろう。
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