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「星宮君がどうして?」
「この前新薬の説明に行ったら医院長に誘われてしまって……。そうだ、小桜さんも一緒にどうですか?」
あそこのクリスマスパーティーという事は見事に女性だらけなんだろうな。行きたくない。
「行かない」
これくらいきっぱりと断ってもらえると、気持ちがいい。
「そうですか……」
「悪いな。香水の匂いが苦手で、そういう場所には極力近づかないようにしているんだ」
「はぁ…」
「話を戻すが、24日は暇なのか?」
暇と言えば暇だが、一応取りだめたビデオを見ようと思っている。面白いドラマだと12話まで一気に見てしまい、心地よい疲労と達成感を得られるので実はちょっぴり楽しみにしているんだ。
「24日、何かあるんですか?」
「いや、俺も暇だから一緒に飲まないかと思って」
「嫌です。なんで小桜さんと二人でイブを過ごさないといけないんですか」
思わず本音が出てしまい、へへへと笑って誤魔化す。
「そうか、そうだよな。御影が久しぶりに星宮君に会いたいって言ってたんだが、なんか料理のレパートリーも増えたから食べさせたいって」
「行きます!それならそうと言って下さい」
「えっ?」
「風早さんに会いたいし、料理も食べたいから行きます。何時ですか?」
「 ………」
「小桜さん?」
俺の誘いは断ったのに御影ならオッケーするんだとぶつぶつ文句を言ってる小桜さんをじっと見つめると、俺の視線に気づいたのか小桜さんの頬がみるみる真っ赤に染まった。
「そんなに、見つめるな………」
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