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「パーティーって平岩クリニックの?」 「それです。色っぽい女医さんや可愛い看護師さん、クールな検査技師さんだらけのハーレムパーティーだって聞きました」 誰からなんて聞かなくても分かる。 小桜さん……あの人は一体何がしたいんだろう。 確かに平岩クリニックは医者も看護師も受付も薬剤師も全て女性だが、俺が呼ばれたクリスマスパーティーは、ホテルの宴会場を貸し切った立食形式で、仕事先は元より、家族や友人、恋人を招待して(ねぎら)うという和やかなもので、決して合コンまがいのものではなかったのに。はぁ。 「もちろん何もなかったよ。そもそもあんな何100人と来るパーティーで何かありようがないよ」 「本当に……?」 「うん。それに俺が七翔君以外に惹かれるなんてありえないから。現に今もその柔らかい唇にキスしたい衝動と戦ってるんだから」 「キ、キスって」 「愛しい恋人に久しぶりに会えたんだから当たり前だろ」 少し拗ねて付け足すと……。 「でもここでは……」 あれ、もうちょい押せばさせてくれるのか……ってダメだろ。 「分かってるから離して。でないと俺……」 緩んだ手をそっと外し、一歩後ろに下がる。 「明日、行くから」 「はい」 「じゃあ。あと少し頑張って。それと忘れてたけどメリークリスマス」 「メリークリスマス。明日は二人でお祝いしましょうね」 「了解。じゃあ。寒いから早く入って。薫さんにもよろしくな」 七翔君に紙袋を渡す際、一瞬頬に唇が触れた。
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