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二人の体重にギシとベッドのスプリングが軋んだ。
ぼんやりとした光の中でもキラキラと輝く瞳に吸い寄せられる。
「ああっ……」
目尻に軽くキスをしながら固くなった所を膝で愛撫すると、七翔君が小さく喘いだ。
もう、限界だ。
深く深く口づけし、食べ尽くさんばかりに口内を侵す。
クチュクチュと淫らな水音が静かな部屋の中に響き渡り、どちらのものかわからないほどに混ざりあった唾液を飲み干す。
甘いと感じるのは気のせいだろうか。
感覚が無くなるほどきつく吸った舌がじんじんと痺れ始めてようやく口を離すと、はぁと息を漏らしながら七翔君が深くベッドに沈みこんだ。
冷えきった部屋なのに体が熱くて仕方がない。七翔君も同じみたいで額が少し汗ばんでいる。
「クリスマスなのに、ムードなくてごめん」
「大丈夫です。僕も我慢出来ないから……」
全然気にしてないように普通に返されて思わず笑みが浮かぶ。
そうだ、七翔君は女の子とは違う。彼も俺が欲しいと願ってくれているんだ。
「手加減出来ないかも……」
「僕もです。……なんかちょっと暑い」
口元まできっちり巻いているマフラーを窮屈そうに押し下げる七翔君の手を押さえて、マフラーを外してあげる。
続いて七翔君によく似合っているキャメルのダッフルコートを脱がせようとして、二人共靴をはいたままだった事を思い出した。
「余裕無さすぎてカッコ悪い……」
革靴を脱ぎながら呟くと
「お互い様です、よ」
七翔君が苦笑いでスニーカーを脱いだ。
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