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眩しさに目を開けると、暗かった部屋がすっかり明るくなっていた。
寝ちゃったんだな。
視線を移すと、七翔君が俺の右腕にちょこんと頭を乗せて眠っていた。
久しぶりに会えた事もあり、昨夜はあれから2回、いや3回……。早起きな七翔君が全然起きないなんて、相当無理させちゃったな。
小さな声でごめんと謝り、柔らかい髪に頬を寄せる。
1日中こうやって七翔君と過ごしていたい……そんな誘惑を断ち切るように腕を抜き取ると、少々乱暴だったからか七翔君がコロンと転がって仰向けになった。
睫毛がピクピクと動きだしたので起きるのかなと見ていると、七翔君が頭をシーツに擦り付け始めた。何度かグリグリして満足のいく場所を見つけたのか口元を綻ばせると再び気持ちよさそうに寝息を立て始める。
可愛い。
あー、ずっと見ていたい。
このままではダメだ。ところで、今何時だろう……。
サイドボードにある時計の針は7時を指している。七翔君の家から会社までは15分位だからまだまだ余裕はあるものの、朝食を食べるならそろそろ用意を始めないとまずい。
一緒に暮らすと毎朝こんな感じなのかななんて考えながら幸せな気分でシャワーを浴び、スーツに着替える。初めからここに泊まるつもりだったので、下着とYシャツとネクタイは替えを持って来ていた。
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