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「ごめん」
「何で謝るの?やっぱり僕の事なんて……」
安心させるように掴まれてない方の手で彼の頭を抱え込み、耳元で囁く。
「好きだよ」
「嘘だ。だってさっきごめんて言った」
ああ、また傷つけてしまったのか。
「あれは逃げてしまってごめんていう意味だったんだ」
「本当に?」
「本当だ」
愛しい体を離し、七翔君としっかり目を合わせる。今度こそ逃げない。
「七翔君、君が好きです。俺と付き合って下さい」
「僕男ですよ」
「そうだね」
「胸もないし、抱き締めても柔らかくないし」
「確かにね」
「可愛くもないし」
「そうかな、俺にはすごく可愛く見えるけど」
「もう。………それに、肌もすべすべじゃないし」
「じゃあ、触ってもいい?」
「…………」
慈しむように頬に手を当てると、七翔君が目を閉じた。長いまつげが少しだけ震えている。
「信じてくれる?」
七翔君の瞼にキスをすると、彼は小さく「はい」と言ってくれた。
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