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*** 「あれ、仲直りしたの?」 少し砕けた話し方なのは小桜さんがいるからかな? 「まあ……」 「それは良かった」 風早さんが笑いながらジン・ライムを俺の前に置いてくれる。 甘いものが苦手なのはデザートだけじゃなく酒もそうだ。酒の中でもジンのキリっとした味が好きで、いつもジン・ライムやジントニックを頼んでしまう。一口にジン・ライムと言っても店によって使ってるジンの種類やライムジュースとの割合が違うのだが、風早さんが作るジン・ライムは絶品だ。 「やっぱりここのジン・ライムが一番好きです」 「ありがとうございます。バーテンダー冥利に尽きますね」 和やかな雰囲気の俺達の隣で小桜さんがふんと鼻を鳴らした。 「お前さ、何にでも好きとか言うなよ。誤解するだろ」 「誤解ですか?」 言われた意味がわからず首をかしげると、小桜さんがうっと唸った。 「慎、もしかして志季君にハマっちゃったのか?」 「ま、まさかバカな事言うなよ。俺はこいつの事なんてちっともタイプじゃないから」 「ハイハイ。そう言えば志季君って慎のタイプだよな。和風な顔立ちもそうだし、素直で優しい性格もそうだ。だけど、志季君はどう見ても受けじゃないと思うぞ」 「うっ……」 二人の会話を聞いていて寒気がしてきた。もしかして俺、小桜さんに狙われてたのか?いや、絶対に無理だから。 小桜さんの隣の椅子から1つ隣の椅子に移ると、風早さんがくっくっと笑った。 「慎、お前振られたみたいだぞ」 「はぁ、だから好きじゃないって言ってるだろ。星宮もバカな誤解するな」
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