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「おっ、こっちもいい感じに焼けたな」
ぷっくりと美味しそうに焼けたイカをハサミで4等分し、2切れを七翔君の皿に乗せた。
「ちょっと大きいけどどうぞ」
「ありがとうございます」
自分の皿に残りの2切れを乗せ、先ずは何も付けずに一口かじる。
「うまい」
「美味しい」
ほんのり塩味がしてこれはこれでいける。
次は……醤油を少し垂らして食べると屋台のイカ焼きに近い味がする。
「醤油もいいですが、やっぱりこれかな」
七翔君のオススメは、七味唐辛子とマヨネーズ。まあ間違いなくうまいよな。でも、これは完全におつまみだ。とすると。
「やっぱり酒が……いや何でもない」
「フフ、志季さんてそんなにお酒好きでした?」
「周りが飲んでるとつられるかな。休みの日に昼から酒って、最高の贅沢な気がするんだよ」
「確かに」
つまみは何がいいか……なんていう話をしていると、メインの海鮮丼が運ばれてきた。
「すごい……」
丼からはみ出しそうなくらい乗った魚に七翔君の目がキラキラと輝く。
ワサビを溶いた醤油を回しかけ、まずは大好きなマグロを一切れ 。
「トロが溶けました」
七翔君がほっぺを押さえて微笑む。
「七翔君は好きな物から食べるの?」
「そうですね。志季さんは?」
「好きな物を最初と最後に食べるよ」
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