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あ、また語ってしまった。年下だからか、美琴にするようについお兄ちゃん風を吹かせてしまう。たまに美琴にウザがられるけど、七翔君もウザイと思ったかもしれない。
美琴なら謝るとすぐに機嫌を直し、今度美味しいもの奢ってねと言って許してくれるけど、七翔君はどうだろう。俺ならデート中に説教は嫌だな。
やっぱり謝まろう。
赤信号で止まったので隣を向くと、七翔君が力強い眼差しで見つめ返してきた。
怒ってはないような………。
「志季さん」
「はひっ」
あ、声が裏がえってしまった。
「僕、ゲイである自分をずっと卑下してましたがもう止めにします。僕も幸せになっていいんですよね?」
「うん。俺と幸せになろう」
「あはは、なんかプロポーズみたい。これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ。えっと………怒ってはいないよね?」
「はい。すごく感謝してます」
よかった。
「じゃあ、この話はおしまい。これからどうする?」
ドライブと言うことで、高速には乗らず海岸線を通りながら家方面に向かっていた。今は海から離れ、このまま行くと1時間ほどで自宅に戻れるだろう。
ナビを見ていた七翔君が、ハッと息を飲んだ。
「あの……1ヶ所行ってみたい所があるんですが……」
七翔君の案内で着いた所は、一面のコスモス畑だった。
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