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俺が来ていると告げられてびっくりしたのか、佐藤さんが持っていた資料をバサバサと落とした。 「あ、すみません」 謝りながら急いで資料を拾った佐藤さんが、俺の所にパタパタとかけてきた。 「ほ、星宮さん、どうされたんですか?」 「いや………昨日は誘ってもらったのにすみません」 「いえ、あれは私が星宮さんの予定も考えずに誘強引に誘ったから……」 あれこの子、昨日とずいぶん印象が違う。もっと押しが強かったような……。 「佐藤さん、今夜空いてたら飲みに行きませんか?」 「私とですか?」 頷くと、「はい、行きます」と元気な返事が返ってきた。 もしかして、言い方間違えたかな………。 嬉しそうな彼女に罪悪感を覚えつつ、定時後会社の前で待ち合わせをする。 それと、大事なこと。 「ごめんね、この約束、内緒にしてもらえますか?」 「どうして?」 友達や同僚を誘って来られると困るからなんだけど、どう言ったら通じるんだろう。 「えっと………佐藤さんとじっくり話がしたいから……かな」 真っ赤になった佐藤さんが叫びだすのを防ぐように両手で口を押さえながら、コクコクと頷いた。 あれれ、また間違えた? でもとりあえず誘うのに成功した。これで小桜さんの落ち込みが解消されればいいけど。
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