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溜め息交じりの声が、部屋に響く。虚しさが体中から染み出てくるような感覚に陥った。
ゆっくりと立ち上がり、貧血でふらふらと歩くように進む。部屋のカーテンを開けて外を見ると、今の自分の心を表さんばかりの重苦しい雲が空を覆っていた。
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中谷美和は、画面に現れた映真の言葉を目にし、頭を机に打ち付けた。
『好きだけど、本人に伝える気はないな』
美和自身、このような言葉が返ってくることは予想済みだった。けれど、いざ受けてみると予想を遥かに上回る激痛が心を走るものだ。
映真の過去のことが知りたいとはいえ、あんなうそつくんじゃなかった。
『失恋した』なんて。相手は、きっと私のことを思って、いろいろと自分自身のことを話してくれてるんだ、きっと。それなのに、私は…。これじゃあ、失恋を予言したみたいなものじゃないか。本当に自分はバカだなぁ。もう二度と
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