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次の日
夏休みだけど、用があるので私は制服を着て学校へ向かう。
「今から学校か?」
バイクに乗ったサンタが声をかけてきた。
「うん。サンタは?」
「俺はこれから仕事三昧。じゃあな~。」
サンタは手を振りながらバイクで立ち去った。
学校へ着き用事を済ませると、私は友達とそのまま街へ繰り出した。
「お腹空かない?何か食べようか。」
「いいね~。じゃあさ、クレープ食べに行こう。」
友達と一緒にクレープ屋へ行くことにした。
「いらっしゃいませ。」
私は目を疑った。目の前の店員は営業スマイル全開のサンタだった。
「さ、サンタ?」
「よう、今日はよく会うなぁ。」
「何してるの!?」
「見たら分かるだろ?仕事だよ。」
とりあえず私と友達はクレープを注文する。
「はい、ありがとな。」
サンタは最後まで営業スマイルだった。
「ねぇさっきの店員、凛の知り合い?超イケてるじゃん。」
友達は興味津々に聞いてきた。
確かによく見ると、顔は王子様みたいでカッコいいかもしれない。
だけど 友達に何となくサンタの事、興味を持ってもらいたくなくて、さっさとクレープ屋を後にする。
それから私は友達とカラオケ行ったり、プリクラ撮ったりして1日を楽しんだ。
その帰り道、ピザ屋のバイクが私の横を通り過ぎる。
「・・・ん!?」
よく見るとピザ屋のバイクに乗っているのはサンタだった。
「ピザ屋でもバイトしてるんだ。」
その時は、サンタ頑張ってるなぁくらいしか思ってなかった。
ところがそれから1週間、とにかく街でサンタを見かけた。
朝の新聞配達、クレープ屋、ピザ屋、ファミレス、ビルの窓清掃、土木作業、警備員、庭師、何かの調査員・・。
サンタは何でこんながむしゃらに働いているのだろう?
気になった私は、夜中に帰ってくるサンタの帰りを待った。
バイクの音がどんどん近づいてくる。きっとサンタだ。私は外に出る。
「お前、こんな夜中に何してんだ?」
私の存在に気づいたサンタが声をかけてきた。
「ねぇサンタ、働き過ぎじゃない?・・身体・・・壊すよ。」
「いや・・っていうか中で話しようぜ。」
そう言われ、私はサンタの家へ入った。
「おかえり~・・って、夜中に女の子を連れ込むなんてやるじゃん♪」
家へ入ると、スーツ姿の戸中居さんが部屋から出てきた。
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