赤にかけられた青の呪い

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「でもさ、たまには違う色も着てみたら?」 「雄一(ゆういち)には言われたくないね」  絵美は小さく舌を出してそう言った。  確かに、原因を作った僕に言われたくはないだろうな。 「で、どうしたの。今日は」  カフェラテを吹き冷ましながら、絵美はそう聞いた。伏せた大きい目に長いまつげが掛かる。  そのまつげに塗られているマスカラは僕からすれば黒でしかないけれど、絵美に言わせるとブルーブラックという色なんだそうだ。 「うん、ちょっとさ、渡したいものがあって」  そう言って僕は、後ろに隠していた袋を絵美に差し出した。 「何これ?」  絵美が不思議そうな顔をしながらそれを受け取ると、中から水色の包装紙と青いリボンでラッピングされた細長い包みを取り出した。 「開けてみて」 「えぇ? 誕生日ならまだだよ」 「いいからいいから」  僕に促されて、絵美は包みをほどいていく。  中に入っていたのは、一粒石のネックレス。  その石は、ガーネット。  赤い石。
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