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私は逃げるように走り去る。包茎をフェラなんて到底無理! 恥垢だらけで汚いって保健体育で習った。
セーラー服の乱れを直してから、家に帰る。
「ただいま~」
「お帰り、レツ。卒業式はどうだった?」
ママだ。玄関を掃除している。
「もう、最悪」
「あらあら。お客様が来てるから、挨拶してね」
「分かった~」
私の家は鉄筋コンクリートで地上2階、地下1階の居心地の良い家だ。
お客さんって誰だろう? いちいち面倒くさいな。でも仕方ない。会釈だけでもしておこう。
私はパパの書斎に行き、ノックをする。
「入りなさい」
私はドアを開けて、お客さんに頭を下げようとした時、目を疑った。
「やあ、レツちゃん」
「…………竹下君のお父さん」
「レツ、どうかしたか?」
「ううん、何でもないよ」
竹下君とBをやったなんて言えない!
「レツちゃんの進路は?」
竹下君のお父さん……急に何を言い出してるの? 社交辞令ってヤツ?
「大学に進学しますよ」
「レツ、それなんだが、悪く思わないでくれ」
「パパ?」
「大学側には進学しないと、電話をしておいた。国に身を捧げないか?」
「パパ? どういう意味?」
私はパパが何の仕事をしてるか知らない。建設業だと言ってたり、営業マンだと言ってたり。仕事を転々としてる割には良い家に住んでる。ママは専業主婦だし。
「実はパパと竹下は国家公務員なんだ」
「レツちゃん、僕達は内閣情報調査室の同期なのさ」
「えっ? 内閣情報調査室ってアニメなんかに出てくる日本の諜報機関? 冗談でしょ」
「レツちゃん、冗談じゃないよ。竹下家と鬼頭派家は代々お庭番をやっていた。内閣官房長官といつでも連絡が取れる。国のために働かないかい?」
「急にそんな事言われても……」
「そうだね、急すぎたね。でも大学には行けないよ」
「大学には断りの電話をしたの?」
「ああ。レツを一人前のエージェントにするためだ」
「だったら、警察学校とか……」
私の薔薇色なキャンパスライフが崩れていく。ああ…………。
「レツちゃんは可愛いし、スタイルも良い。成績も良いらしいね。やる気さえあれば、立派なエージェントになれる。大学なんかより、よっぽど楽しいよ」
なんかノってきた。平凡な人生より、スリリングな人生。
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