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こういう甘い事をするのも意外だった。
彼の髪から私と同じ匂いがして、罪悪を再認識させられる。
「……結婚まで、絶対にバレないようにできる……?」
私の胸の前で組まれた葉築さんの白い手を触りながら、イエスと同じ意味の返事をした。
これからも、会っていく、と。
「勿論……うまくやろうよ」
耳元に押し付けられる唇が、共犯者として囁いた。
恐らく、器用な葉築さんなら、浮気もうまくやりこなすに違いない。
「じゃあ、月曜日に」
別れ際、軽い握手をする。
ホテルを後にして、二人バラバラの道を歩き始めた時には、既に私の、結婚への意欲は削げていた。
それほど、葉築さんとのセックスは溺れる要素が多かった。
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