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橋元先生ーー
現在36歳になって、姿はそれなりに老いていたけれど、見間違いではなかった。
175㎝くらいで細身のマッチョ。
髪はスポーツ刈りで、若い時はイチローに似てるって良く言われてた、幼い顔立ち。
ノーネクタイのシャツ。
この前、私を呼んだのは、やっぱり橋元先生?
先生が車両に乗ってきたら、私に気がつくだろうか?
そしたら、どんな顔をしようーー
けれど。
先生は、乗り込む乗客から離れて、自販機そばのベンチに座ってしまった。
「ーー線ーー行きーー間もなく発車します」
プルルルルルーー!
ハッ!として、電車の発車合図寸前、思わず車両から降りてしまった。
電車の熱風を受けながら、髪とスカートをおさえて、缶珈琲を飲む橋元先生にゆっくりと近づいた。
「先生……」
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