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「……そうだ、と言いたいところだけど、仕事じゃないんだ。休日も趣味でサッカー教えていて、現場に向かってる」
「相変わらずのサッカー漬けですね」
「まぁな」
髭の生えた口元で笑った橋元先生は、空になった缶をゴミ箱に捨てると、
「ーー番ホームに、ーー行きーー線」
ホームに入ってきた電車に視線を移して、
「じゃあな」 「……は……い」
私を見ないまま、離れて電車に乗り込んでしまった。
物足りなく感じるなんて。
私は、何か期待していたの?
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