beautiful life 美しくⅡ

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ーー余計なお世話だっただろうか。 それに、僅かに残された、伊織が俺の所に戻ってくる可能性も、自ら壊したとも言える。 俺の話を聞いた義兄は、直ぐに、伊織に電話をかけていた。 ″ 一緒にいるために、通常では考えられないくらい、生きてやる ″ そう、力強く言っていた。 俺がアパートを出て、数分後。 今にも崩れそうな階段を、伊織が駆け足で昇っていくのを見た。 十年前、出会った頃、覇気がなくて、幽霊みたいだと思った女……。 それが嘘だったように…イキイキとし、頬を赤くしながら、息を切らした彼女の顔が、とても幸せそうに、美しく見えた。 そして。 俺は、室岡さんに電話をかけた。 「俺も、会社、辞めます」
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