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青い光が、草むらにあった。見つけた時には、先に別の子がそばに立ってた。
「お前、ヒロか?」
「うん、蛍がいるって聞いてたから」
その子は、隣の席のヒデちゃんだった。暗いから顔はよく見えないけど、声でわかる。
この裏山では蛍を見ることができる、というウワサを聞いて、僕はひとりでやってきたのだけど。
「でも蛍じゃない、なんか変な光」
「なんだろう」
僕もヒデちゃんの近くまで行って、その光を見る。ヒデちゃんは腰を下ろすと、その光がある草の茂みに手を伸ばした。
「え、大丈夫?」
「おっ」
それをつかんだみたいで、手を取り出すと、それはガラスのような宝石のような、でもそれとは違う変わった石だった。ヒデちゃんの顔が光で照らされる。
僕は、なんかちょっと頭が痛い。
「ほら、これなんかすげー」
ヒデちゃんがそれを僕に向けて差し出そうとしたら、急にそれの光が強くなった。
「うわっ」
びっくりして、ヒデちゃんはそれを離してしまった。離したら光は弱くなったけど、それは地面に落ちてコンと音をたてた。
「ん?」
「あっ」
見ると、地面の固い石に当たったみたいで、光は2つに分かれてた。
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