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大学時代、僕はごく普通の生活を送っていた。さすがに、課外活動で交友関係を広げた華やかなキャンパスライフ、という感じではないが、そこそこの日常でそこそこ友達もいた。
「おおう!弘!!」
その一人、くされ縁で小学校から大学まで一緒だった幼馴染の高原英雄。文化系で地味な僕とは違い、体育会系で好感度も高い。だが英雄も自分から交友関係を広げるタイプではないため、昔から慣れている僕とつるむことが多かった。今も学部こそ違えども、時間が合うときは学生食堂で一緒に昼を食っていた。最近はあまり会うことがないな…と思ってた矢先、学食内で僕を見つけた英雄はそのまま僕の向かいの席まで直行してきた。
「なんか英雄とは久しぶりな気がする…痩せた?」
「ん、そうか?」
言いながらうどんをすする僕を、英雄はただじっと見る。僕は気まずさを感じ、箸をおいて水を飲む。
「どうかした?」
「あ、ああ。弘さ、この後授業入ってる?」
「今日は休講になったから空いてる」
「そうか!じゃあさ、ちょっとだけ話さね?」
「え、何を?話なら今でもいいだろ」
「いや、それは、まあ、ちょっと…」
英雄は目を泳がせてから、いつにない真剣な表情になってこう言った。
「大事な話なんだ。静かなところで、二人で話したい」
僕を見つめるその瞳に、僕は更に違和感を覚えた。
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