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その川は澄んでいて、透き通っていた。
少し先では魚釣りをしている人もいる。
二人はすぐに服を脱いだ。
下にはすでに海水パンツを履いていた。
ゴーグルを着け、水の中に飛び込んだ。
少し先に行くと、深く手足が付かない。
それでもどちらも泳ぎは得意だったから、怖いことはなかった。
「気持ちいいな、ケン」
「見てみろ、魚がいるぞ、ヒロト」
「本当だ」
潜っては川魚やえび、カニを見つけた。
「すごい大きい魚がいたぞ、ヒロト」
ケンは周囲を見渡した。
「ヒロト」
返事はなく、水の流れる音だけがする。
「どこだ、ヒロト?」
ケンの声は自然と大きくなり、彼の視線は水辺をさまようように移動した。
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