幼なじみ

4/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
「ヒロト」 声が届く先に、水中に沈んでいくものが。 ケンは全力でそっちに向かった。 水の抵抗がいつもより強く感じる。 速く、もっと速くしないと。 ケンは沈みかけるヒロトを捉えた。 必死で必死で水中から外へと。 目を開けた時、そこは病院だった。 だが、目覚めたのはヒロトだけ。 「たしか、僕・・・」 「そう。川で泳いでいて、溺れていたところを魚釣りをしていた人が助けてくれたんだよ」 ベッドのそばに立っていたお医者は答えた。 「思い出した。ケンの声が聞こえて」 「あの子、ケンくんというんだね」 「うん。幼なじみなんだ」 「そうか」 「ケンは、どこにいるの?」 「違うお部屋で眠っているよ」
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!