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「やっぱり眩しい………」 高校への通学の途中、手を顔に翳し、空を見上げて一人呟く。その目線の先にある空は、忌々しいほど晴れやかな青空である 「晴れが嫌いなわけじゃないが、流石にここまで照ってると鬱陶しいな………」 「な~にブツクサ言ってるんですか、先輩?」 「!?………何だ、部長ですか」 「何だとは何ですか!?あと部長も敬語も止めてくださいよ、先輩!」 彼女は風見愛(かざみあい)。一年生にして、僕が所属している天文部の部長である。補足すると、僕は二年生である。しかし何故、学年と役職が合ってないかというと、 「僕の方が学年が上とはいえ、部長は部長ですし、僕は転校してきたので実質部長の方が上じゃないですか」 ということである 「それは先輩の家庭の事情だから仕方無いじゃないですか!郷に入っては郷に従え、長いものには巻かれろ、ですよ!」 「はいはい。分かりましたよ、部長」 「分かってないじゃないですか!」 これは癖のようなものだからあまり気にしないでほしいのだが……… 「それで?何か用があって話し掛けてきたんじゃないんですか?」 「ん?いや、別に無いですよ?さっきも言った通り、何をブツクサ言ってるのかな~って思っただけです」 「………そうですか。まぁ、あれですよ。空が青いな、と」 「あ~、確かに『快晴!』って感じの晴れ方ですよね~。けど、先輩は青い空よりも黒い空の方が好きそうですよね」 「黒い空………?………確かに曇り空は嫌いじゃ無いですけど、まるで自分の心を見透かされてるようでーーーーー」 「いやいや、曇り空は灰色じゃないですか。黒い空は晴れてる夜の事ですよ!」 「………なるほど」 危ない危ない。恥ずかしいことを口走るところだった 「先輩は星を見るのが好きだから天文部に入ったんですよね?まぁ実際は先輩方が卒業して私と友達だけで廃部寸前だったので、先輩が入ってくれなかったら部活としては見れなかったんですけど………てへへ」 今笑うタイミングじゃない気がするし、話が逸れてる気がする 「部長、話逸れてません?」 「あ、そうだったそうだった。………で、先輩は星を見るのが好きなんですよね?」 戻ったな………
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