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「ほお、珍しいものもいるもんだな……いつもなら惚けたりしないんだがな人間は…」と彼が見ている亡者を見つめながら皮肉を吐いた。
「たまにはさ……こういう清々しい人間もいたりもいいだろう?」と自分自身を自慢するかのように言ってみたら、舟守はガハハと笑いだした。
「違いねぇ…もしやおめぇさんは天国に行ける自信があるのか?」と不意に自分に向ける質問を出され、俺は俯いて苦笑しながら答えた。
「さあね、俺の経歴をどう計るかはここの主次第だよ」
すると、どこかに辿り着いたのか桟橋に船を止めていた。
「着いたよ。目の前にある大きな屋敷が獄門所だ。」
獄門所、簡単に人間界で表すなら裁判所と同じいや。違うな、検察っぽいのはいるが弁護はない、似てるという言葉がしっくりくる。
俺はそこを目指して歩いていった。
そこへ向かってる間も自分の他に人間もいた。勿論死人としてだ。
その人もさっきの舟守が言っていた惚けた人つまり臆病者がトボトボと歩いていた。
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