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ゴールデンウィークの初日。
この日も文句のつけようのない晴天だった。
「おお!! キムタクーっ!」
オレの姿を見つけるなり、背の高い茶髪の男が走り寄ってきた。
「ちょ、ちょっと、川崎さん! 抱きつかないでください、鬱陶しいです」
オレに抱きついて来たその人は、オレの必死の抵抗にようやく体を離した。
「いやいや、嬉しくてつい。しかし、なんだよう。オレが熱烈に勧誘してた頃はスルーしてたくせ、オレがブチョー引退してから入部って。そんなにオレが鬱陶しかった?」
「はい」
「うわ、ひっでーの! よし、決めた。オレ、今日おまえを徹底的にマークしてやる」
「試合でまでしつこくするの止めて下さいよ」
川崎さんは、ひでーだの生意気だの文句を言いながらも、楽しそうに笑いながら他の人のところへ向かった。向かった先でも誰かに抱きついたりふざけ合ったりしている。ホントに賑やかな人だ。
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