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出逢い
私の名前は広子。
どこにでもいる、普通の女子高生だった。
ただ、あんまり周りには気付かれてなかったけど、胸が大きくて、それがコンプレックスだった。
そう、あの日までは。
その日、私は友だちの誕プレを買おうと、電車に乗って有名な繁華街まで出てきていた。
みんなは怖がるけど、地元からは結構近いので、私は、よく一人でも足を運んでいた。
ナンパとかもあるけど、私が無言でスルーすると、しつこく誘われたり、絡まれたりすることは無かったから。
今日も、ダボっとした、メンズライクなジャケにダボTとツーサイズくらい大き目のサロペット、と言った感じの服で歩いていたら。
これ、胸が分かんなくてグッドなの。
「お嬢さん、お一人ですか?」
「えっ? お嬢さんて私?」
心の声が出てたみたい…(笑)
「ええ、そうです、あなたですよ。」
えっ? ホントに? お嬢さん?て…、私、そんな柄じゃ無いぞ。
と、思って振り返ると、そこには、キチンと和服を着こなした上品な男性が私を見てにこにこしていた。
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