蒼い日々から明日へ

初デート？

ある日の日曜日。

とある美術館の前で私と琢磨は待ち合わせをしていた。

そう、あの日の会話にあった「印象派の画家展」をやっている美術館。

ヨーロッパにある、印象派をメインに展示している美術館が改築する事になり、その間、世界各国で作品を展示して回ってて。

たまたま今回、私たちのいる地域にもやって来てると聞き付けた琢磨くんに誘われての待ち合わせ。

なんだかデートみたい。

前日の夜はガラにも無く興奮してよく眠れなくて、いつもの休日よりもウンと早起きしてしまった私は、朝からパックやマッサージまでして、髪も下ろして巻いて来た。

化粧もちょっと明るめの色合いを使った。

我ながら気合い入り過ぎと苦笑する。

「うわっ、菜つ姫さん、今日のカッコ素敵です。」

「そう？ ありがとう。いつもは仕事帰りだからね。やっぱりお出掛けとは違うから」

平気な顔をして答えたけれど、内心、実は…ちょっと…いや、かなりヤラれた。

こんなにストレートに男性から褒められるなんて、いつぶりだろう。

照れずに女性を褒める事が出来る、こんな所もやっぱり今ドキのコなんだろう。