夜デート

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夜デート

腕を組んだまま琢磨のお勧めの店まで着いた。 さすがに琢磨の知り合いに会うのに、腕組んでたらダメだよね。 琢磨が店のドアを開けるタイミングで、絡めていた腕を外した。 その店は『Chaser』とは、違って今時のお洒落なBARだった。 カウンターの中には、イケメンが2人。 「いらっしゃい…、おー、琢磨。」 「あ、いきなりでゴメン。 大丈夫だった?」 「おー、日曜日はヒマだからな。 来てくれて助かるよ。 そちらの綺麗な方は?」 「あ、菜つ姫さんて言うんだ。」 「おっ? 菜つ姫ちゃんかー、いらっしゃい。ゆっくりしていってね。」 って…、いきなりちゃん付けですか? ってか、絶対、私より年下だよね? 私がフリーズしてるのを見て琢磨が笑った。 「ビックリした? 俺の前に『Chaser』で、バーテン修行してた人で、北原さんて言うんだ。 誰に対してもあんな感じだから。」 「あ、それとこっちのイケメンは、ここのバイトの堀くん。俺の大学の同期なんだ。バーテンダーに興味あるって言うから紹介した」 「いらっしゃいませ。どうぞごゆっくり」 堀くんは、おしぼりを私たちに渡しながら、可愛らしい笑顔でそう言った。 彼は、金色でパーマの緩くかかった長髪をこれまた緩く後ろに流して幅広の黒のカチューシャで留めていた。 タイプは全く違うけれど、この二人も相当モテそうだ。 「ありがとう」 私は、当たり障りなく笑みを返した。
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