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タクシーが走り出すと、私はさっきまで一緒にいた琢磨のコトを思い出していた。
私よりも20才も年下の男のコなのに、会話をしていても全然違和感もなかったし、何よりも楽しかった。
イマドキの男のコにも、こんなコがいるんだ…。
自分の部下のコたちとは、飲み会なんかでも全く話も合わないし、別にこれと言って話したいコトも無いし。
何よりも、あんなに真っ直ぐに視線を合わせて来る、濁りのない瞳に心が揺れた。
私は、久し振りに『私も女だったんだ』と、タクシーの中で急に恥ずかしくなって、一人身悶えた。
自宅に帰り、軽くシャワーを浴びる。
正面にある鏡に映る自分の身体を見て、ため息を吐く。
そこに映っていたのは、目尻に小ジワがより、笑うとほうれい線がクッキリ出る顔。
そんなに太ってはいないけれど、全体的に垂れ下がり、だらし無いラインを描く身体。
昔は自慢の胸だったりもしたけれど、大きい分、引力も働くからすっかり垂れてしまっている。
お尻もタルンタルンで。
普段は強力サポートストッキングとガードル、強力サポートブラで全身を押し上げてはいるけれど。
自分が女であると自覚してしまったからこそ、劣化してしまった自分の身体を目の当たりにして、軽く落ち込んでしまった。
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