0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
線を外れて歩む
生命線。
それは手のひらの一部の線。
僕は昔からこの生命線をみて自分の人生がどこで終わるのかが分かることができる。
役に立たない力だ。
おまけに自分のゴールが分かってしまうのだから、なおさら死ぬのが怖くなってしょうがない。
それにこんなの未来予知とはまた違う。
そう、ただ自分のゴールが分かるだけ。
それだけなんだ。
僕は手のひらを見る。
どんどんと薄くなっていく生命線。
僕の線は70歳で完全に消え去ってしまう。
すなわち僕は70歳で死ぬ、ということだ。
嫌なもんだ。
そう思った僕は日記をつける事にした。
気休めながらも自分が居た証をこうして残しておくだけでも気持ちは幾分か整理がつくかなと思ったのだ。
結果を言えば、まぁつけといて良かったかなと思う。
自分の人生もゴールだけを見てしまえばマイナスばかり考えてしまうが、こうして日記をつけてたまに見返して見ればそれなりに充実した人生が綴られている。
悪くない。
悪くないんじゃないかな。
最初のコメントを投稿しよう!