青瓢箪

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 俺はなんとか中学生になることができた。青りんごは俺の必死の献身のお陰ですっかり普通の日常生活を送っている。  俺の体も学校に通える程度には持ち直した。だが、 「よう、“青びょうたん”。今日も相変わらず安定の青さだな」  今度は俺が不名誉なあだ名で呼ばれるようになった。しかも友達だった奴らから。  俺も好きでヒョロガリでいるわけじゃない。食べても食べてもちっとも太れないし、体を鍛えようにも秒で限界がきてしてしまうんだ。というか何もしないでも疲労していくので栄養ドリンクとサプリメントが欠かせない。  極めつけに髪までほとんど抜け落ちた。栄養が体中にいき渡らないから当然なのだが思春期の俺にとってはかなり心にもダメージを受けた。  どうやら青りんごが動けば動くほどエネルギーを吸い取られるようだ。かといって本人に大人しくしてろとは言えねえ。呪いを受けたのは俺の意志だしな。
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