青瓢箪

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「聞いたよ凛子っ。今度AOM48のオーディション受けるんだって?」  ふらふらと廊下を歩いてると、そんな声が聞こえた。  AOM48って言やあ、最近人気急上昇中のご当地アイドルだ。 「うん。まあね」  冗談じゃない。もし青りんごがアイドルになれば、今までの倍……いやそれ以上は生命エネルギーを吸い取られるかもしれん。このままじゃミイラになっちまう。それだけは阻止しねえと……! 「私が病気がちの時、AOMの歌を聴いて元気を貰ってたの。だから、今度は私が誰かを元気にしたいなって」  ……言えねえよな。止めろだなんて。  元々明日生きれるかも分からない奴だったんだ。夢を見せてやるくらいしょうがないよな。  ま、いくら頬っぺが赤くなり可愛くなってもアイドルになるなんて簡単な事じゃない。どうせ落ちるだろ。
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