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次に意識を取り戻すと、白い天井と俺を心配そうに覗き込む青りんごの顔が視界に飛び込んできた。
「よかった。気がついて」
「……ここは?」
「医務室だよ。浦成君、握手会で倒れたからスタッフの人に運んで貰ったの」
「いいのか? トップアイドルが俺みたいな不審者と一緒にいて」
「浦成君は小学校の時のクラスメイトで顔見知りだよ」
あの頃と同じように笑って返す青りんごは、一転して真面目な表情を作った。
「教えて。浦成君が私を生かしてるってどういう事? 私が急に元気になった事に関係あるの?」
思わず俺は寝返りを打ち顔を背けた。
「いや何でもない。悪かった。迷惑かけちまって」
「何でもなくないよ。浦成君は反対に弱々しくなっちゃってるし。まるで私が浦成君の元気を吸い取ってるような」
「ご明察」
その第三者の声に、俺は反射的に体を起こした。
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